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Volvo S60でスカンジナビアデザインの魅力を味わう -デザイン編-

FFのセダンってどうなの?と半ば懐疑的なイメージを持っていたS60。借り受けて乗り込んだその瞬間から、ずっと感動しっぱなしの時間だった。

 

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現在のVolvoはすべての車種においてデザインを統一している。S60はプラットフォームを共有するワゴンタイプのV60とほぼ同じ顔つきだ。ドイツ御三家(Audi,BMW,Mercedes Benz)とは一味違う、端正ながらギラギラした押し出し感の少ないフロントデザインをしている。

正面から見るととても幅広に見えるが、車幅は1850mmと特に取り回しに困ることのないサイズだ。T字型に光るデイタイムランニングライトは、ウインカー点滅時に光が反転する仕様。単純に見た目がカッコいいし視認性も高い。実際、このライトによって街中で現行Volvo車はかなりの存在感を放っている。相手に視認されるということは、それだけ安全性も高まるということだ。

 

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ホイールが17インチと小さめかつ地味なデザインなこともあってか、サイドビューは少し寂しいと感じた。ただし、FFながら抑えられたフロントオーバーハングにより、まるでFRのようなスポーティな印象を受ける。車両グレードをInscriptionかR-Designへアップグレードすると18インチがデフォルトで装着されるが、そちらは切削加工された高級感のあるもの。19インチもオプションで用意される。しつこいが、ホイールさえカッコいいものを履いていたら、サイドビューは文句のつけようがなかったと思う。

 

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リアビューは凝った造形はない。唯一、幾何学的な線を描くテールランプの存在によって、やはり遠くからでもVolvo車と認識しやすいデザインとなっている。このS60を除く他のVolvo車は、縦長くに伸びるライト造形をしているが、個人的には横基調のものが好みである。

 

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バンパー下に脚を出し入れすることによってトランクの開閉ができる機構が備わる。今回は狭い駐車場に駐めて荷物を出し入れするケースが何度かあったが、荷室の開閉にスペースを必要としないセダンは、こういう場合に便利だ。ハッチバックだとどうしても、ハッチが開くぶんの後方スペースが必要になるからだ。

 

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乗り込んで内装をチェック。ドアの閉まる音がバスっと重厚感があり安心感がある。ドアの開閉音が直接、安全性に関わるわけではないが、なんとなく安心感に繋がる。

Audi等のドイツ車のドア開閉音も評価は高いが、それを上回る剛性感だと個人的には思う。

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明るいブラウンを基調とした内装は、シンプルで暖かみのある雰囲気を放っている。ドアレバーや肘置きなど、手が触れる部分の質感は隙がなく、実際に使用する際にどうすれば心地よいのか考え抜いてデザインされているのがよく分かる。機械ずくめの自動車というより、陽の当たるリビングでゆったり寛いでいるかのようなイメージ。

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グレードによっては、オプションでダッシュボードのトリムを人工皮革仕上げに変更することができる。これ以上の質感になるとどうなるのか、かなり興味が湧くところである。

インフォテイメントを含む各種操作系全般については、少し独特であるものの、慣れれば非常に扱いやすいように設計されていると思う。縦長のディスプレイは地図を見る際に理にかなっているし、取ってつけた感がなくインテリアに馴染んでいる。

エアコンの温度や風量の調節は物理ボタンではなくタッチパネルだが、操作のUIはシンプルで直感的である。運転中にチラ見しての操作は難なく行えるレベル。個人的なお気に入りはオーディオの操作ボタン。ステアリングでも行えるが、音量のダイヤルと停止/再生、スキップとバックが目立つように物理ボタンで配置されているのが面白い。

ここで同時に記しておきたいのが、車載オーディオの音質がとても良かったということ。今回借りたモデルはグレードでいうと下位にあたるMomemtumである。より上位のR-DesignやInscriptionになるとharman/kardonのスピーカーが標準装備となるが、Momentumのオーディオシステムもじゅうぶんに満足のいくものになると思う。しかしより上位のものがあるならば、それを体感してみたくなるもの。いつか上位グレードのVolvo車に乗っていたいと思うところである。

[走行編に続く]