【MT初心者の悩みを聞いてくれ】スバル BRZでマニュアルスポーツカーに挑戦!
また面白そうなクルマを借りてドライブを堪能してきた。
今回はこちら、スバルのBRZだ。
86は兄弟車
BRZはトヨタとスバルの共同開発によって生まれたクルマだ。なのでトヨタの86とはいわば兄弟車にあたる。水平方向エンジンやボディなど、クルマのほとんどのパーツが共通となっており、異なるところといえば、バンパーの形状であったり、ヘッドライトの光り方ぐらいか。
個人的にネームバリューがあるのは86だと認識しているが、BRZも86も搭載されているエンジンはスバルが供給する水平方向4気筒エンジンなので、兄弟車のうち、どちらが”兄”となるかといえば、BRZではないかなぁ。
カーシェアを使う
今回もカーシェアリングサービスを活用した。クルマを貸してくださるオーナー様からクルマを受け取る。当日は生憎の雨だった。BRZは後輪駆動(FR)なので、雨に濡れた路面で滑ってしまわないように注意が必要だ。
このブログでは他にも、カーシェアで乗ってみた面白いクルマについて紹介した記事を書いている。よかったら読んでみてほしい。okinawamalabo.hatenablog.comokinawamalabo.hatenablog.comokinawamalabo.hatenablog.com
初乗車!
ドアを開けて乗り込む。2ドアのクーペに乗るのは初めてではないが、やっぱり乗り降りはしにくい。もともと車高が低い車種だが、車高調によってさらに車高が下がっており、かなり体を曲げないと乗り込むことができない。助手席に女の子を乗せる場合、乗り降りのしにくさに不満が出ることは間違いない。前席のシートを倒すと後部座席へ乗り込むことができる。なのでいちおう4人乗りとなるわけだが、はっきり言って大人4人が乗るには窮屈すぎる。前席に大人、後席に小さい子供であれば乗ることができると思うが、乗り降りは大変だし、もう2人乗りのクルマと割り切るしかないだろう。
乗り込むと車内のインテリアに囲まれる。スポーツカーらしく狭めの車内。インテリアはかなり質素な印象だが、無機質で機械的な雰囲気は個人的には好みだ。面白みがないといえばそれまでだが、インテリアが味気ないのは日本車全般に言えることだ。ボタン配置や操作方法などはシンプルで扱いやすい。エアコンの調整ダイヤルのクリック感が軽すぎるのが少し気になったぐらいか。
シートのホールド感はそこまでガッチリはしておらず、むしろ柔らかめで気張らずに乗れる感じ。乗り込む際にこそ不満たらたらだった女の子でも、シートの意外な座り心地の良さでもってこれ以上機嫌を損ねることはないと思う。
クラッチペダルを踏んでエンジンスタート。排気音は控えめなので、エンジンの始動だけで生まれる高揚感などはない。このあたりはオーナーの好みによって社外製のマフラーを装着したり、カスタマイズの幅が広がるようにしてあるのだろう。
ギアを1速に入れて走り出す。MT車に乗るのがほとんど初めてといっていいくらい経験が無いので、終始吹かし気味での発進だ。教習車のヌルヌルとしたシフトレバーとは違い、小気味よくコクコクとギアを入れることができる。4気筒の水平方向エンジンが生み出すのはたった200馬力程度のパワーだが、舐めていると痛い目にあうことになる。石灰岩を含んだ沖縄の路面は、雨になると格段に滑りやすくなる。軽自動車や非力なコンパクトカーなどのFF車などであればともかく、ある程度パワーのあるFR車の運転には特に注意が必要だ。坂道発進などでクラッチミートのタイミングをミスし、アクセルを踏みすぎてDSC(横滑り防止装置)が作動してしまう。なんでこういう日に限って雨なんだ?
慣れてくるとスムーズに発進、変速を行うことができるようになった。世間では非力だとか、遅いと馬鹿にされることが多いBRZ&86だが、まったくそんなことはない。圧倒的な力強さを感じるかといえば決してそんなことはないが、十分にスポーティで、軽快な加速感だ。後輪駆動ならではの背中を押されるような感じは、以前乗ったポルシェの911と通ずるものがある。ただし、911の場合は360馬力オーバーのパワーを地面に叩きつける半ば狂気的な加速感だったのに対し、BRZはあくまで、スッキリとした爽快感を乗り手に感じさせるような感じだ。
ハンドリングもキビキビしていて気だるさを感じない。車体の小ささと軽さも相まって、思い通りのハンドル操作を味わうことができる。悪く言うとちょっと軽やかすぎて、無茶な運転をすると容赦なくコントロールを失いそうな感覚はあった。この点、究極まで洗練された911のコントロール性はさすがだなと思う。圧倒的な性能の高さでドライバーに不安を与えない。ポルシェが他のスポーツカーと一線を画するとされる理由が分かった気がした。
ステアリングは他のクルマと比べれば重めだが、この重さこそスポーツカーを運転することの醍醐味といえる。この重さが駐車などの細かい動作に影響を与えることはなかった。女性であれば重いと感じることはあるだろうが、しっかり両手で回せば大丈夫だろう。
マニュアル初心者の愚痴
ここからはクルマのインプレッションというより、MT運転についての愚痴になる。愚痴といっても、単に自分の運転技術と経験が足りないだけだが。MT車を運転していて特に苦労したのは以下の3つのシチュエーション。
- 坂道発進
- 渋滞
- 信号で止まってからジリジリ進む前車(特に坂道)
順に見ていこう。
・坂道発進
教習所ではそこまで苦労しなかったのに何故だ?後ろのクルマが必要以上に近づいているように感じるのは被害妄想だとしても、発進をミスすると後ろに下がってしまうことに変わりはないので、毎回毎回、緊張の連続だ。比較的静かなマフラー音だといっても、ハイブリッドのコンパクトカーよりも明らかにうるさいことに変わりはない。こればかりは慣れが必要だ。
・渋滞
MT運転大変あるあるの渋滞。これもAT車を運転しているときと比べれば苦労はしたが、単に停止と発進の動作を繰り返すのが面倒なだけで、坂道発進のように恐怖を伴っていないのでまあ大丈夫。そもそも、低速時でもある程度の車間距離を空けていれば理論的には渋滞は発生しないか、しにくいといわれている。意識的に車間距離を空けて前車に詰めすぎないようにすれば、完全に止まらずに渋滞をクリアすることができる。
無駄に加速→前車に詰まりブレーキ踏んで完全停止→再び発進を繰り返しているドライバーが多い。渋滞な主な原因はこれだ。
・信号で止まってからジリジ(ry
これはもはやMT運転など全く関係ない。笑 ときどきというかしょっちゅう見かける。信号が赤になり、停止すべき位置つまりは停止線の、かなり前からブレーキを踏み始め、無駄に手前で一旦停止し、しばらくしてからちょっとだけ進む。これがはっきり言ってかなり迷惑である。どういう意図でこういった動きをするのか、免許取得以来ずっと考えているのだが、未だ真相は不明である。
・坂道発進
何度も述べているとおり、沖縄の道はとても滑りやすい。理由は路面に石灰岩を多く含んでいるため。雨が降って路面が濡れると、さらに滑りやすくなる。パワーを後輪に伝えて駆動するFR車の運転は特に気を使うが、その中でもMT車は、そのパワーのコントロールが完全に運転手に委ねられている。クラッチを切れば完全にニュートラル、つなげればロスのないパワーが後輪へと伝達される。故にその”パワーの出方”の微調整が必要な坂道発進において、アクセルとクラッチの微妙な操作はMT者の初心者である僕にとっては多少の鬼門であった。パワーが少なすぎれば車は坂道を登らず、自重に負けてエンストしてしまう。かといってアクセルを踏みすぎて過剰なパワーを出力すると、後輪が滑って怖い思いをするハメになる。
以上の4つが、MT車を運転するときに苦労した点だ。