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はじめての左ハンドル車を運転。メリット・デメリットは?

ちょっと前に書いた記事で、初めて左ハンドル車を運転してみた際の印象を少しだけ書いた。今回はこれをもうちょっと掘り下げて書いてみようかと思う。

okinawamalabo.hatenablog.com

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運転したのはポルシェ911。ちょっと古めの2006年式のタイプ997である。ただでさえ車高が低く、運転しやすいとはいえないクーペ。いきなり左ハンドルなんて大丈夫かと心配していた。結論からいえばほとんど全く問題なく運転することができた。しかし右ハンドル車と何ら変わらない感覚で運転できたかというとそんなことはない。今回は、初めて運転してみて分かった、左ハンドル車のメリットとデメリットを書いてみようかと思う。あくまで僕個人の主観を元にしており、また、運転感覚はそのクルマのタイプや車種によって大きく異なるもの。以上の点を承知の上で読んでみてほしい。

 

左ハンドル車のメリット

・道の左側ギリギリまで寄せることができる

これは最大のメリットだと思う。狭い道で対向車とすれ違う際、サイドミラーで自車の真下を確認して左側いっぱいまで寄ることができる。実際、左が河川敷で、あと数センチで脱輪して落ちるんじゃないかという状況で大きなトラックとすれ違わないといけないようなシーンがあったが、落ち着いて左へ幅寄せし、無事にすれ違うことができた。路上駐車する場合も同様だ。窓を開けて目視で確認すれば、左側の縁石まで2,3cmまで寄せる程度は余裕だ。右ハンドル車でもサイドミラーで確認すればそれぐらいギリギリまで寄せることは可能だが、あくまでミラー越しに見ているので若干の不安が残る。

ただし、じゃあ左側の車幅感覚がまったく必要無いかと言われればそんなことはない。通常の右ハンドル車で車体の右前を擦る人がいるように、運転席の前だからといって油断は禁物だ。特に今回の911のような車高の低いクルマの場合、乗員(自分)の着座位置が低めになることがある。普段運転しているのが車高の高いSUVなどだったら、運転席から見える前の景色がいつもと大きく変わる。単純に前を見るだけだったらなんら不自由は無いが、前下、つまりフロントの左右ホイールの位置などは感覚がかなりつかみにくい。かといってずっと目視で左前下を確認しながら運転するわけにもいかない。これを頭に入れた上で運転する必要がある。

・左折の巻き込み確認がしやすい

左折時の巻き込み確認は非常にやりやすい。真横はもちろん、ミラー越しに見た左後ろ、そして死角になりやすい車体の左真後ろ、すべてが右ハンドルと比べて物理的に近いので、距離感覚が掴みやすい。

・ウインカー操作がしやすい

逆輸入した日本車などの特殊なケースを除いて、左ハンドルのクルマ=輸入車である。実は、ハンドルの右側にウインカーレバーがあるのは日本車だけなのだ。日本と同じ右ハンドル左側通行といえばイギリスが挙げられるが、ジャガーアストンマーティンなどの右ハンドル車でもウインカーレバーはハンドル左側に配置されている。なので輸入車に慣れていないドライバーがウインカーとワイパーを誤操作することがあるが、あれは日本ならではの光景だといえる。個人的には、ハンドルの位置=ウインカーの位置と身体に覚え込ませるとすんなりと慣れることができた。

 

左ハンドル車のデメリット

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・高速道路の合流がやりにくい

左側から本線に合流する際の合流が非常にやりにくい。右後ろの死角が多いので必然的にサイドミラーとバックミラーの視界に頼ることになるが、やはり見にくい。年末の京都は天気が悪く、911で高速道路に乗った日は雨が降っていた。雨でリアガラスとサイドミラーが濡れて水滴が付く。夕暮れ時、本線を走るクルマのヘッドライトの光がチラチラ眩しい。こうなったとき、右後ろの視界の悪さはかなりもの。

対策としては、とりあえず加速!路面が濡れてるのでスリップに注意しながらの加速になる。しかし911の350PS以上のパワーをもってすれば、ちょっと踏むだけで十分な速度に到達する。よっぽど短い合流車線でない限り、本線の速度に合わせて加速することなど余裕である。なんなら追い越し車線をかっ飛ばしているクルマの速度を上回ることも可n......本線の第一レーンを走るクルマの切れ目に狙いをつけ、無事に合流を完了する。考えてみれば、日本で走る左ハンドル車って、車種が限られてくる気がする。逆輸入した日本車など特別なケースを除けば、アメ車やドイツ車、フェラーリランボルギーニなどのイタリア車などが挙げられる。それらのクルマは日本車に比べてハイパワーである場合が多い。それらのクルマを運転しているドライバーが高速道路の合流でどうしているのかと想像したとき、「とりあえずフル加速して他車より速くなれば、あとはスキマを見つけて入るだけ」という感じなのかなあと思ったりする。

・料金所での支払いや駐車券が取りづらい

こればかりはもうどうしようもない。笑 2回ほど直面したが、思ったより苦戦することはなかった。右側へゆっくりと落ち着いて寄せれば問題ない。腕を目一杯伸ばさないと手が届かないという問題があるが、今回は助手席に人を乗せていたのでその人にお願いして支払いや受け取りをしてもらっていた。最近は左ハンドルに対応した料金所などをよく見かけるので、これが問題じゃなくなる日がくるのも近いと思う。

・右折の時に対向の直進車が見えない

これは場合による。国道や幹線道路などの比較的大きい道では右折時に対向の直進車を見るのには十分な道幅の広さがある。ちょっと見にくい場合でも、信号の切り替わるサイクルが早い。無理に見ようとして車体を前に出すよりは、見えにくければ諦めて右折信号が青になるまで待つのが無難である。生活道路や小さい路地ではたしかにちょっと見にくいシーンがあった。助手席側に身を乗り出すようにして見れば右ハンドル車と同じ視界になるので多少見えやすくはなる。

・センターラインやキャッツアイなどに注意

センターラインやキャッツアイは道の中央、つまり左ハンドルのドライバーからは最も遠い位置に設置されていることになる。直線道路であれば問題無いが、急コーナーが連続する山道などはけっこう気を使う。ポルシェを含むスポーツカーのタイヤは大径でかつ薄めである場合がある。キャッツアイなどを不用意に踏んで走行しているとパンクの原因になるので注意が必要だ。対策としては、山道や峠道などに行かないか、行っても超安全運転を心がける、などが挙げられるが、まあ無理な相談だろう。車体感覚を磨き上げて運転技術を養うしかない。

 まとめ

ここまで左ハンドル車のメリット・デメリットをまとめてきたが、運転してみて思ったのは、意外にデメリットが少ないということだ。運転する前はどこかぶつけてしまうんじゃないかなどかなりビビっていた。しかしいざ運転席に座って走り出してみると、視界がいつもと違うだけで、すんなりと運転することができた。むしろ911の車高が低いことによって、ちょっとした段差などに気を遣うことが多かった。デメリットをあまり感じなかったことも相まって、逆にメリットの恩恵を受けている感じが強かった。輸入車は本来は左ハンドルがデフォルトとして設計、製造されている。なので運転席側から見たセンターコンソールのボタンの配置やアクセル、ブレーキのペダル配置など、右ハンドル仕様車よりも左ハンドル仕様車のほうが自然なことが往々にしてある。もし将来クルマを買う時、左ハンドルの設定があるのなら左ハンドルを選んでもいいかなあ。。。などと思ったりした。