malaboのブログ

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ポルシェ911(Type997)と過ごした2日間

こんにちは。

2020年になりました。あけましておめでとうございます。

いま京都の実家に帰省しているんですが沖縄と気温差がすごすぎてかなりキツイです。

帰省ついでに京都市内と大阪、神戸を少し観光してきました。

空港は伊丹空港を利用しました。

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フライトはANA。ちょっとだけ貯まってたマイルがあったのでそれを一気に使いました。片道分がタダになる計算ですが、それでも負担としては9000円ちょっとなのであまり得した気分にもなれず。笑 LCCだともっと安く済むので、帰省など国内の短時間のフライトであればLCCでじゅうぶんかもしれませんね。LCCは座席が狭かったり、手荷物に制限が多かったり、いろいろと難点がありますが、座席が狭いのは短時間であれば我慢できるし、荷物がとても少ないので手荷物の制限も問題になりません。

京都観光のついでにまたおもしろいクルマを借りてみました。

 ポルシェ911 (タイプ997)

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ポルシェ911 (タイプ997)です。ポルシェが誇るRRスポーツカーである911。タイプ997は911シリーズでは6代目になります。年式は2006年なので10年以上前のクルマということになります。現在の最新モデルがタイプ992ですが、写真で比べて見るとあまりデザインに大きな変化がないのがわかります。

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どうでしょう?バンパー、テールランプのデザインがちょっと変わったぐらいですかね。ずっとこの伝統的なフォルムを継承し続けているのが分かります。

今回もAnycaを利用してこのクルマをレンタルしました。沖縄でもAnycaを利用したことがありますが、本土だと車両のラインナップが沖縄と比にならないくらい多いですね。他にもAnycaで試し乗りしてみたときの記事をいくつか書いているので、よかったら読んでみてくださいね。

okinawamalabo.hatenablog.com

okinawamalabo.hatenablog.com

車両の受け取りは京都市内のホテルで行いました。クルマを貸してくださるオーナーさんと規定通り受け渡しのやり取りを行います。

ドアを開けて乗り込みます。内装を軽くパシャリ。左ハンドル仕様です。生まれてはじめての左ハンドル。車高がめちゃくちゃ低い。そもそも、人生でスポーツカーに乗った経験がそれほど多くはありません。地を這うような乗車姿勢や、歩行者の腰のあたりにくる視界、すべてが新鮮です。なので乗り込んで自分のドライビングポジションをとったときの最初の感想は、「見切り悪っ!」みたいな感じでした。笑 左ハンドルなので、ギアのセレクターレバーやナビ、エアコンの操作パネルが自分の右側にきます。

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 内装はシンプルそのものです。スポーツカーらしく、余計な加飾がないスッキリとした車内です。各種パネルやボタン類など、質感自体は良くもなく、悪くもなく。なにしろ10年以上前のクルマなので、今どきのクルマに普通に付いている装備がない分、ちょっと寂しく感じます。運転席に座るとまず目に飛び込んでくる5連のメーター類。ポルシェの伝統の意匠の1つです。中央のタコメータースピードメーター、油温計など、まるで戦闘機のコックピットに座ったかのような雰囲気です。また、ウインカーやワイパーの操作がちょっと硬めというか、しっかりとしたクリック感があります。

写真を撮り忘れましたが、アクセルはもちろんオルガン式。左ハンドルなので右足のスペースにもかなりの余裕があり、ペダル配置は最高でした。輸入車の左ハンドル車はペダル配置が良い、という話をよく聞きますが、たしかにその通りだな、と。

ギアをドライブに入れて走り出します。車高が低いので、ちょっとした段差やマンホールの蓋が浮いているところなど、普段より多少気を遣いながら運転します。左ハンドルは最初ちょっと運転感覚を掴むのに苦労しましたが、狭い道などでは左ギリギリまで寄せることができるのと、そもそも車幅がそこまで広くない(1810mm)ので、対向車や道端の電柱などにぶつけてしまう心配はあまりありませんでした。

一方で、右側の車幅感覚はかなり掴みづらい印象を受けました。狭い右折レーンなどに入った際、右側に何も無ければ問題ありませんが、ゴム製のポールなどがある道ではそれに擦ったりしてしまわないかちょっと不安です。また、高速道路の左からの合流もかなり大変です。右後ろが見にくいので、後ろから迫ってくる本線の車両との距離感が掴みづらいです。これはポルシェに限ったことではなく、左ハンドル車の宿命ですね。

 嵐山-高雄パークウェイ

ポルシェの走りを堪能すべく、嵐山にあるドライブウェイ、「嵐山-高雄パークウェイ」にやってきました。

www.parkway-hankyu.com

料金所で料金¥1200を支払います。料金の支払い機が右側にしかないので、ここでいきなり左ハンドル車の洗礼を受けます。笑 幸い、今回は助手席に同乗者を載せているので、そろりそろりと右側へクルマを寄せ、無事に料金の支払いを完了します。

嵐山-高雄パークウェイは全長10kmほど。ドライブウェイとしては少し短めですが、わりとタイトめなコーナーやアップダウンがあり、途中で保津峡の渓谷を見下ろすことのできる展望台もあるので、ちょっとしたドライブにとてもオススメです。

途中の休憩所で何枚か写真を撮りました。

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走行性能

ドライブウェイにきたのでポルシェのコーナリング性能や加速性能を試すべく、ちょっとだけ攻め込んでみます。

運転技術に自信があるわけではないので、あくまでその時のなんとなく感じたことを書いていきます。
 
まずはコーナリング。タイトめのコーナーをややハイスピードで突っ込んでも、車体がブレることなくグイグイと曲がっていきます。普段運転している軽自動車と同じ感覚でステアリングをきると、曲がりすぎるんですね。エンジンがリアに搭載されているぶんボンネットが空白で軽く、スイスイと車体の鼻先が向きを変えます。それが身体に馴染んでくるとまさに自分の思い描くラインに車体をもってくることができるようになります。ほんの僅かなライン修正も思いのまま。道に落ちている木の枝をサッと避けてまたもとのラインへ戻る。”障害物を避ける”という頭の中の意識がそのままクルマへ伝わっているかのようです。当日は雨が降っていたのでスリップを恐れ、そこまで攻め込めませんでしたが、まったく滑るような気配もなく、むしろ、もっとアクセル踏めよとクルマが言っているような気さえします。
 
 いくつかコーナーを抜けると長めの直線へ。気合を入れてフル加速を試してみます。997型911カレラSに搭載されるのは3.8リッターの水平対向エンジン。最高出力は355馬力です。アクセルをベタ踏みすると、背中をドンッと押されたような凄まじい加速。4本出しマフラーから大きめの重低音(ともちろん排気ガス)を吐き出しながらグイグイ加速していきます。景色がどんどん後ろに遠ざかっていき、エンジン音と排気音が遠慮なく車内に入ってきます。もう、アドレナリン出まくりです(笑)。
 
体感的にはフル加速の7割ほどしか加速できていませんが、スピードメーターの針がわりと危なめの数値を示していたので加速をストップ。日本でこのフル加速を思う存分堪能できる道路なんてあるんでしょうか。最近はかなりの大パワーを持つクルマが市販されていますが、それらのオーナーとしてステアリングを握るには、クルマの維持費だけではなくてその性能を扱いきれるだけの運転技術が必要だと思います。
 

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ポルシェの走行性能を語る上でよく言われるのが、ブレーキの効きの良さ。これについては特に街中と高速道路で感じることができました。たとえば前のクルマの急ブレーキに対応するとき。こちらも急ブレーキをかけることに変わりはないんですが、ブレーキが掛かっても車体がグッと前のめりになったりせず、自然な姿勢を保ったまま減速することができました。高速道路では料金所で一気に減速するとき。こちらはわざと急減速を試してみたのですが、こちらもやはり、車体の姿勢がほとんどブレることなくスッと減速することができました。例えるなら、周りの景色の流れが一気に遅くなる、といった感じでしょうか。ブレーキ性能の良さはドイツ車全般に共通していえることですが、ポルシェはその中でも特に高性能だと感じました。日本の道路を普通に走っているぶんにはその高性能さを発揮するシーンなんてほとんどないんですが、”しっかり止まれる”というのは安心感につながります。
 
まあなんだかんだグダグダ書きましたが、はい、めちゃくちゃ楽しかったです。ハッキリ言ってしまえば、乗り心地良くないし、車内の静粛性も皆無。助手席に彼女を乗せて長距離移動はかなりキツイと思います。けれど、クルマと意思疎通しているかのような一体感や、進む・曲がる・止まるを高いレベルでバランスしている素晴らしいクルマだと思います。運転するのが純粋に楽しいと思える、もうそれだけで十分ですね。
 
今回乗った911はいわばポルシェのフラッグシップですが、ポルシェは他にも、718ケイマンなど、販売価格が安いものもラインナップしています。

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911(現行2019年モデル)の販売価格が1300万円を超えるのに対し、ケイマンは約700万円。必要なオプションなどをつけていくとおそらく乗り出しで800万円を超えてくると思いますが、もちろん中古だとこれよりは少し低めの価格帯で探すことができます。いづれにしても高価なことに変わりはありませんが、何千万円もするスーパーカーでもないし、まだ現実味があります。
 
ポルシェだけがスポーツカーではないし、世の中では他にもたくさんの良いクルマがあります。それらにもいつか乗ってみたいですが、その中でも「名車」と呼び声高い911に乗ることができて本当に素晴らしい機会でした。